ヤガタアリグモ Myrmarachne elongata

 ハエトリグモ科 体長♀約6o、♂約5o(上顎除く)


♀タイプ 『杉並区でヤガタ??ッぽいアリグモを見つけました。住宅街の孤立した木に2匹確認。この色彩はトゲアリとか胸が赤いアリに擬態しているのでしょうか?? もちろん高円寺の住宅街なんでそのようなアリはいないと思われます。』 2013/09 東京都  コメントと撮影 : DX-9 さん


♀タイプと♂ 2007 和歌山県 『私が撮った今までのヤガタアリグモの画像です。うちの職場付近ではアリグモより普通に見られます。』 コメントと撮影: 紀伊半島さん


『♂は成体越冬、♀は亜成体越冬というのが関東基本パターンかも。あくまでも「かも」です。120104 東京都稲城市 』 コメントと撮影: きどばん


奈良県でヤガタアリグモ雄 『11月8日,奈良県の信貴山でヤガタアリグモ雄を採り,写真も撮りました.』  コメントと撮影: 虫めづる・せきねさん 2009


♀ 『先日、横浜市内で見つけたました。タイリクかヤガタかは分かりませんが、ちょっと珍しい感じがしたんで。Date: 2010/09 』 コメントと撮影: くまじろうさん


♀ 鹿児島県 2009-07E 『我が家の玄関先でよく狩をしているヤガタアリグモです ♀はきれいなをしているのですぐ目に付きまました! 』 コメントと撮影: 200pさん



♀タイプ 東京都 2007/07 撮影: 混沌さん


♀ 2007-07-25 神奈川県横浜市 『今日庭の草むしりをやってたんですけど、コイツが出てきまして。・・・略・・・7ミリぐらいで、撮れてないんですが♂も見ました。♂もコレとおんなじカラーリングで7〜8ミリぐらいでした。』 コメントと撮影: みつをさん


♀,体長6-7mm(下段。上はイナズマハエトリ) 2008-04 奈良県 データと撮影: ライデン さん


♂ 『参考までに色彩変異の写真を。パルプを見ると,いずれもヤガタアリグモのようです。さらに,形態にもかなり変異があるようなので,同定には注意が必要ですね。』 コメントと撮影: Cybaeusさん


♂ 2008/07E 東京都小金井市 撮影: きどばん

※以下の個体は色彩変異と思われる.生殖器未確認.

(本種と思われる)♂ 2006/08/25 神奈川県川崎市 撮影: 裏庭さん

(本種と思われる)♂ 2006/12E 『寒くなり、昆虫の姿を見かける機会も減っていますが、クモはまだ見かけますね。 大晦日に家の外壁で見つけたクモなのですが、アリグモのようでいて少しスリムです。』 コメントと撮影: ライデンさん



♂♀。右下は幼体。 『100919 東京都稲城市  ヤガタアリグモです。ベテランのクモ屋さんもその実態を把握しているとは言い難い状況です。谷川CDの分布状況を見て愕然としました。あのCDのなかで最も実体とかけ離れた分布マップであると思われます。同定が難しい、参考画像が少ない、ということが報告が少ない理由と思われますが・・・『最もよく売れているクモ図鑑』の解説に問題があるのかもしれません。「タイリクアリグモに極めて似ている」という表現には賛同できません・・・「極めて似ている・・・個体もいる」という感じですかね。『最もよく売れているクモ図鑑』のタイリクアリグモは典型的個体ですが、若干の色彩変異があります。もっと明るい橙色っぽい個体やかなり黒っぽい個体がいますが、異なるのは全体的な色合いのみで形状や斑紋パターンそのもはかなり安定しています。「個体数は少ない」ということはありません。見つけにくいだけです。石神井公園・高尾方面・あきる野市・府中市・小金井市・千葉県野田市方面等々、私が複数回調べたところにはすべて生息していました。逆にある程度の自然が保たれている場所で見つかっていないところは記憶にありません。横槍が入るので詳しい生息場所は説明しませんが、アリグモとはランドスケープ的にオーバーラップし空間的に棲み分けています(私的見解)。

私的には「黒っぽいヤガタアリグモはヤサアリグモに似ている」印象が強いです。♂では大きさを無視すれば(画像だけを見ると)「アリグモ?」と思ってしまう個体もいます。ヤガタアリグモが他のアリグモ類のどれに似ているかは人によって見解が異なるのかもしれません。何を同定ポイントにしているかによって、どのアリグモ類に似ているかの印象が異なるのでしょう。今まで何度か触れてきましたが、ヤガタアリグモは大きさ・色合い・斑紋パターン(※1)だけでなく「形状」にも変異があります。♂触肢、♀外雌器で識別するのにもかなりの「慣れ」が必要です。添付画像左上はかなり赤っぽい♂で、この辺りなら外見ですぐ判ります。が、[上段画像] のような個体(♂成体)もいます。色合い、形状ともにその中間的外見を持つ個体も多いです。♂の牙にある突起(※2)が識別ポイントですが、野外でこの突起を撮影するのは困難(角度的に写ることが稀)で、通常は左下画像(上と同一個体)のように突起は見えません。画像右上が♀です。もっと赤っぽい個体、全体的に黒っぽい個体もいます。右下は幼体です。もっと赤っぽく腹部形状が寸胴な個体もいます。とにかく多様で他種との識別ポイントを判りやすく説明するのは困難です。ただアリグモ類に詳しい人に説明するのは簡単です・・・アリグモともヤサともクワガタともタイリクとも微妙に異なるのがヤガタアリグモ・・・これが一番判りやすい・・・ふふふ。

多摩川河川敷においてはアリグモ、ヤサアリグモ、タイリクアリグモ、クワガタアリグモは空間的に棲み分けています。ヤガタアリグモは生息環境的にクワガタアリグモ以外のすべてと競合します。以前くにたちクモさんが触れていましたが、クワガタアリグモは「河川敷のクモ」という印象が強いです。『最もよく売れているクモ図鑑』における生息環境の解説は不適当であると思われます。あの解説を元にクワガタを探し続けてもよほど運がよくないとクワガタには会えないでしょう・・・個体数は少なくないのに。石神井公園でいくら探してもクワガタだけは見つけられなかったのも当然です。ちなみにクワガタはアリグモ類の中で最も変異の少ない種かもしれません・・・変異する必要性がまったくない、のがその理由と思われます。

※1 厳密には斑紋パターンそのものは安定しているほうです。が、黒っぽい個体では自然状況下においてその特徴的パターンがまったく見えないことも多いです。液浸にするとパターンが見えてきます。
※2 左上画像赤丸内。アリグモの同突起は牙のほぼ中央にあるが本種は基部寄りにある。ヤサアリに同様の突起はない。タイリク、クワガタは突起形状がまったく異なる。 』 コメントと撮影: きどばん

 

見やすさを優先させるため大きな画像は縮小表示しています。
画像のアドレスをたどれば元画像が見られます。

無断転載厳禁!すべての画像の著作権は撮影者に帰属します。

掲載種についてご質問のある方、当サイトにおける画像の取り扱いについてご意見・ご要望のある撮影者の方はメインページにある連絡先までご一報ください。


HOME

 

 

inserted by FC2 system