イエユウレイグモ Pholcus phalangioides

 ユウレイグモ科 体長9mm前後


『2014年6月上旬@山形県 屋内の天井隅に張られた不規則網でイエユウレイグモの配偶行動を観察出来ましたので、超普通種ですけど報告します。卵嚢を咥えてガードしている♀に♂が構わず求愛していました。求愛シーンの動画です。(10:49)』 コメントと撮影 : しぐまさん

『♀が長いこと♂の求愛を拒んでいるので、痺れを切らした♂が卵を壊したり食べたりする(子殺し)のではないかと心配していると、驚いたことに♀は卵嚢を一時的に手放して交接を始めました 動画です。(8:54)』 コメントと撮影 : しぐまさん

『長い交接が済むと♂は共食いされることなく、無事に逃げて行きました。♂と別れた♀は安全な場所に保管していた卵嚢を取りに戻りました。三部作の最後の動画です。(9:46) これは10倍速の早回し映像ですけど、長いので退屈した方は初めを飛ばして5:00辺りからご覧ください。』 『後日、♀がガードする卵嚢から幼体が孵化しました。ここで定点観察を行い、イエユウレイグモ♂に個体識別のマーキングを施してみると、何匹もの♂が入れ替わり立ち代り♀の居る不規則網を訪れることが判明しました。後半は忙しくなり片手間にチョロチョロっと観察しただけなので、残念ながら交接を観察できたのはこの一度きりでした。監視ビデオを設置して愚直にひたすら録画してみるだけでも何か面白いことが分かったかもしれません。』 『和名の「イエユウレイグモ」で検索してもヒットしなかったのに、学名Pholcus phalangioidesで検索し直したらさすがコスモポリタン種、山のように文献がヒットしました。交接中のイエユウレイグモ♂は前回の交接で♀生殖器に蓄えられたライバル♂の精子を触肢で掻き出すのだそうです。(精子間競争)面白いですねー! ありふれたイエユウレイグモのことが俄然、気になり出しました。』 『幼体が分散してしばらくすると♀も姿を消しました。これでクモ観察に関しては今年の運を使い果たしてしまった気がします。それぐらいエキサイティングな体験でした。』 コメントと撮影 : しぐまさん

『イエユウレイグモ、我が家では見かけた記憶がありません。手元の大著を開いてみました。 【卵のうの構造】イエユウレイグモの卵数は少なく20〜30ほど。母グモはそれを鋏角でくわえ、蝕肢で支持している。補虫の時は、卵塊を一時網に吊り下げておき、食事が終わるとまたそれをとり上げる。 【姿勢の変化】イエユウレイグモの姿勢は温度変化によって変わる。温暖なときは、細長い脚で網糸にぶら下がっている(夏型)。ところが寒くなってくると一種の硬直姿勢をとるようになる(冬型)。広げていた脚を集束し、第一脚、第二脚を揃えて前方へ伸ばす。(この姿勢はクモが網を激しくゆすぶるときの姿勢である。)刺激に対する感受性は低下し、ほとんど体を動かすことがない。実験的に温度を下げて10℃にしたところ、メスの約50%、オスの約30%が冬型の姿勢をとった。これを温室に移してみると、一週間後には夏型に回復した。平易な表現で解り易く、興味深い記述がありました。(吉倉眞1987「クモの生物学」)(080810あきる野市横沢入り)』 コメントと撮影 : くも子さん




♀ 『2006/11/19 山形県飯豊町 @地下室の天井隅 』『意外と活発でいつもの巻尺で計測すると逃げられそうです。一時的に捕獲しました。体長9mmぐらいでしょうか。』 コメントと撮影: しぐまさん


♀ 2006/12/08 山梨県 撮影: DX-9さん(チーム神奈川)


♂ 040825 東京都練馬区 撮影: きどばん

 

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